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論文を無料で手に入れられるunpaywallの使い方

通常、論文のフルテキストを読もうと思うと、オープンアクセスのもの以外は購読料がかかります。unpaywallは、他のウェブページから無料版の論文フルテキストがないか探してくれるブラウザ拡張機能です。現在、ChromeとFirefoxに対応しています。

違法なツールではないので、安心してお使いください。それではunpaywallの使い方について説明します。

まずはインストール

unpaywallのサイトにアクセスして、インストールをします。

unpaywall

Chromeをお使いの方は「+Add Unpaywall to Chrome」をクリック。

▽インストールが完了すると、簡単な説明ページが表示されます。

unpaywall解説

特別、なにかを設定する必要はありません。あとは、いつも通り論文を検索するだけです。検索結果に応じて、画面右端にunpaywallの鍵マークが表示されます。

▽他のウェブページでフルテキストが見つからなかった場合は「グレーの鍵マーク」が表示されます。

unpaywall。論文が見つからないときはグレータブ

 

▽他のウェブページで無料のフルテキストが見つかった場合は「グリーンの鍵マーク」が表示され、それをクリックすると、フルテキストを表示することができます。

unpaywall。論文が見つかったときはグリーンタブ

注意点:unpaywallが機能するにはDOIが必要

「使い方を説明する」ほど、説明することがないのですが、ひとつ注意点があります。それは現時点では、論文のページにDOIが明記されていない場合はunpaywallは機能しないということです。

DOIとはDigital Object Identifier(デジタルオブジェクト識別子)の略で、ウェブ上の論文の1つ1つにつけられている識別コードです。

これは、まあまあ大きな問題点で、DOIが掲載されていない論文のページは多く存在します。PubMedの識別子であるPMIDではダメで、DOIでなくては機能しません。

▽また、Google Scholarで検索しているときは、そもそも無料版がある場合は検索結果の右側に表示されるので、unpaywallの出番はあまり無いかもしれません。

Google Scholarで検索しているときはunpaywallの出番はない

Science DirectやSpringerなどのデータベースを使って検索しているときは、役立つかもしれません。インストールしておいて邪魔にはならないので、論文を読む機会がある人は入れておいて損はないと思います。

簡単な論文検索―初心者でも文献データベースを使わずに探す



無料で論文が読めた 幸せな あの頃。

大学院修了後、独立して最も困ったことの1つは、論文のフルテキストにアクセスしづらくなったということです。大学院に在学中は、学内ネットワークを経由してフルテキストを無料で閲覧することができました。今思えば、これは本当に幸せな環境でした。

有料データベースを使って、だいたいの論文は手に入れることができますし、仮に契約データベースになかったとしても、図書館にお願いすれば、他大学からフルテキストを取り寄せてもらうことも容易でした(しかも、数百円で)。

私は修士課程を含めると6年間大学にいましたから、その間は当たり前のようにフルテキストにアクセスできていたのに、4月1日を迎えた瞬間、私の学生証は無効になり、学内ネットワークへのアクセス権も消失してしまいました。

大袈裟なように聞こえるかもしれませんが、当時の時点で論文を読むことは、自らの仕事を進めていく上でのひとつの軸になっていたので、大きな喪失感がありました。

論文フルテキスト1本購入に4,000円ほどかかります。新しい論文が発表される度に購入していたら、個人としてはそれなりの出費になります。

なかには、アブストラクトを読んだ感じでは面白そうだったのに、本文を読んでみたらイメージと違った、ということもあるので、なおさら難しいです。

そんな、研究機関に所属しない私たちにとって嬉しい知らせがあります。昨年ヨーロッパでは、「2020年までに科学論文へのアクセスを全て無料化することを目指す」ということが合意されており、論文はオープンアクセス化すべきだ、という流れになってきています。

これにより、将来的に購読料という障壁が取り除かれる可能性があります。研究データに基づく知識が無料でシェアされることは、社会をより成長させることに繋がるとされており、期待が高まります。