【セミナー情報】10月28日「ストレッチングとツール(IASTM)を併用したコンディショニングテクニック」

業界をリードする運動指導者たちのストレッチに対する考え方まとめ

業界をリードする運動指導者たちのストレッチに対する考え方まとめ

SNSやブログを通して情報発信をしている運動指導者の間で、ストレッチに対してどのような意見が見られるかをまとめました。

この記事を通して、「業界内で、静的ストレッチがどのような位置づけで扱われているのか」の方向性をみることができます。

各記事の極々かんたんな要約を付けていますが、基本的には元記事を確認していただくことをおすすめします。なお、ここでいう「ストレッチ」は静的ストレッチを指します。

それぞれの情報は2018年5月29日時点で確認できたものです。時間の経過と共に、各運動指導者の考え方が変化している可能性もあります。あらかじめご了承ください。

記事は公開された順に並べています。記事タイトルをクリックすると元記事に移動します。

第116回 運動前のストレッチはホントに必要なのか!?|Nice Body Make・・・よもやま話 2011.6.26

いまから7年前の記事です。「当面の間は議論が続き、統一見解が出るまで時間がかかりそうですね」と締めくくられていますが、まさにその通りで、運動前の静的ストレッチについて、ある程度意見がまとまってきてはいますが、部分的にはまだ議論が続いています。

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#26 【論文レビュー】運動前のスタティックストレッチングはパフォーマンスを低下させる?|S&Cつれづれ 2012.4.1

論文の報告を基に、運動前の静的ストレッチの実施基準について、簡潔にまとめられています。

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#92 『Get Long, Get Strong』:持久系アスリートに対してレジスタンストレーニングを処方したり指導したりする時のフィロソフィー⑦|S&Cつれづれ 2012.12.11

副題の日本語は「可動域を広げ、その可動域いっぱいでトレーニングする」です。

この英語の表現方法はもともとCharlie Weingroffというアメリカ人の理学療法士兼S&Cコーチのものです。要するに、ストレッチポールコロコロや静的ストレッチ、モビリティドリル等の方法によってまずは可動域を広げておいて、その後その広がった可動域をできるだけいっぱい使ってトレーニングしましょうって事です。

「Get Long, Get Strong」の考えを達成するための手段の一つとして、静的ストレッチも適用されうるということです。記事自体は、ストレッチに関してというより、トレーニングの可動域に関する考え方についてです。

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#114 【論文レビュー】 ウォームアップで静的ストレッチをしたらパフォーマンスが一時的に低下するけど、その後に動的ストレッチや競技特異的なドリルをしたらマイナス効果が無くなるのか?|S&Cつれづれ 2013.3.15

ウォームアップにおける静的ストレッチの扱いについて述べられています。とくに「じゃあ、現場でどうすれば良いのか?」の項は必読です。

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Benefits of Static Stretching Stretched out of Proportion?|STRONGER BY SCIENCE 2014.12.29

静的ストレッチが、その後のパフォーマンスに悪影響を与える恐れがあることを説明した上で、それでも自分が関わる競技が静的ストレッチによる可動域向上を必要としている場合、静的ストレッチの伸張時間を45秒以内に留めることや、静的ストレッチのあとに動的ストレッチを組み込むルールを守るといったアドバイスが書かれてあります。

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「ストレッチは万能」と考えることへの警鐘(Twitterより引用) 2015.10.29

「この手段が万能」と考えていると、他の選択肢がみえなくなってしまったり、より良い方法を探そうという気持ちが起こらなくなってしまう恐れがあります。ベターな選択は、様々な変数に影響され変化します。盲目的に一つの手段を信じることは避けたいところです。

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ストレッチで柔軟性は向上しない? ストレッチで効果があることとないこと|FIT EVANGELIST 2016.4.22

運動前の静的ストレッチがパフォーマンスに与える影響、リカバリー、ケガ予防について研究論文を基に書かれてあります。

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#408 【論文レビュー】試合後にスタティックストレッチをしても疲労回復は促進されない!?|S&Cつれづれ 2017.6.16

内容はタイトル通りです。少し下で紹介する#490および#498の記事とセットで読むと理解が深まると思います。

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【第54回】ストレッチの誤解~運動前のストレッチ|Training Science 2017.6.18

まとめると

①ウォーミングアップには筋出力の低下を伴わずに(むしろ向上させながら)可動域を向上させる動的ストレッチが向いている

②普段の「柔軟性トレーニング」としては静的ストレッチが効率的

ということになります。

何が良い、何が悪いではなくて、重要なのはその方法のメリット・デメリットを正確に把握すること。

【第55回】静的ストレッチの誤解の誤解~パフォーマンスを向上しうる3つのメカニズム|Training Science 2017.6.26

今回紹介した
・柔軟性の向上
・普段のストレッチでの筋力の向上
・拮抗筋ストレッチによるパフォーマンスの向上
の3点については、静的ストレッチはポジティブな効果を発揮するようです。

何回もこのサイトで主張させていただいていることですが
どんな方法もメリット・デメリットを有しています。
メリットを最大化できるように、そのときどきで適切な方法をチョイスしましょう!

2つの記事は、静的ストレッチに関する研究論文を紹介した上で、その情報をどのように現場に当てはめていけばよいかを考察してくれています。

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#490 【アスリート向け】「ウォームアップにとりあえずストレッチやろう」っていうのはもう時代遅れですよ|S&Cつれづれ 2018.1.15

冒頭にも述べましたが、ウォームアップにストレッチをやったら絶対にダメというわけではありません。それ相当の理由があり、ストレッチをやることによるメリットのほうがデメリットを上回ると確信できるのであればやればいいでしょう。しかし、なんとなく昔からやっているから程度の理由であれば、やらないほうが絶対に良いです。

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#498 私がウエイトトレーニング後のクールダウンのプログラムを提供しない理由|S&Cつれづれ 2018.2.5

クールダウンで静的ストレッチを行わない理由と、ただしその他のケースで「柔軟性トレーニング」として静的ストレッチを実施することはあるということについて述べられています。

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#109 スタティックストレッチングの弊害?|(リ)コンディショニングメモ 2018.3.8

「運動前のスタティックストレッチングは、パフォーマンスを低下させることが研究で明らかになっているんだ」と言って、全否定するのはどうかと思います。「~と言われているけれど、このケースにおいては~という理由でこのように取り入れています」ということが、現場の工夫のひとつだと思います。

手段が目的に合致しているかどうかを考えることが大切であると書かれてあります。これはストレッチングに限らず、あらゆる介入において念頭に置いておかなければならないことだと思います。

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「筋トレ前後はストレッチをした方がいいですか?」|Voicy-森拓郎の聴くだけでヤセるラジオ 2018.5.21

ストレッチをした方が筋肉痛になりにくいとか、ストレッチをしないから怪我をするというのは、どれも迷信だとした上で、柔軟性を欠いていることが原因でトレーニングのフォームが上手くできないということがあれば、その部分の静的ストレッチをすることはある、と説明しています。

ストレッチの位置づけとしては「ストレッチは何がなんでも良いわけでもないし、なにがなんでも悪いわけでもないので、身体を調整するためのストレッチということであれば、僕はやったほうがいいのかなとは思うことはありますね。」と述べられています。

まとめ

取り上げ出したらキリが無いので、読みやすそうなものに絞って、今回はこの程度にしておきました。それでも、これらを読むだけでも結構な情報量を得られる、ということを当記事を作って率直に感じました。

全体を通して共通事項があることにお気づきのことと思います。

ケースバイケース

まず、静的ストレッチに関して言えば、「静的ストレッチは、何が何でも絶対悪だ」と言っている人はいないということです。

抽象的な表現が許されるのであれば、「状況によって使い分ける」が最適な表現となります。具体的なケースのいくつかは、ご紹介した記事を読んでいただければ把握できるはずです。

競技力向上を主な目的と考えている人にとって、客観的にみて静的ストレッチの優先順位が高いとは思えませんが、実施が好ましいケースもあることがわかります。

少し宣伝しておくと6月17日および6月30日のセミナーでは、今回の記事よりもさらに広範なテーマに目を向けて、静的ストレッチや動的ストレッチの扱い方について検討していきます。

手段が目的に対してベターな選択であるかを考えることが大切

 

手段と目的を考える

もうひとつの共通事項は、ものごとの考え方として、手段が目的に対してベターな選択であるかを考えることが大切だということです。

ストレッチに限った話ではなく、数ある手札の中から最適な一枚を選び出すためには、それぞれのメリットとデメリットを把握しておかなくてはなりません。そこで重要な意味を持ってくるのが、論文などを読み、科学的知見を蓄えるというプロセスです。

ある手段が利益をもたらすか、害をもたらすかは、そのカードを選択する指導者次第です。地道に積み重ねた知識が、より精度の高い判断をサポートしてくれると私は信じています。

 

今回ご紹介した情報発信者の方々も、(少なくともストレッチに関しては)客観的なデータに基づいて判断をされているように思います。

解釈の差があるため、1から10まで同じ意見にはならないにしても、今回の方々が似通った見解を示していることを考えると、学術論文を軸に判断するようにすれば、妥当と思われる選択から大きく逸脱することを避けられるとも言えます。

皆が同じ論文を読んでいるのですから、当然と言えば当然なのですが、今回のようにまとめてみて改めて気づかされました。