【2018年版/スポーツ庁】運動の実施頻度等の世論調査まとめ

スポーツ庁

2018年2月27日に、スポーツ庁から『平成29年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」について』が発表されました。

スポーツ庁・平成29年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」について

 

ニュースでも取り上げられていましたが、今回は調査開始以来、初めて「週に1回以上運動をしている」と回答した割合が5割を超えました。

スポーツ庁の報道発表資料は以下から確認できます。

参考 平成29年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」についてスポーツ庁

この記事では、発表資料の中からトレーナーが特に知っておきたいものを抜粋して、グラフで紹介したいと思います。

「週に1回以上運動する」が半数越えの51.5%

冒頭でも書いたとおり、運動頻度に関する問いに対して「週1回以上スポーツ・運動をする」と回答した割合が、51.5%となりました。

 

運動実施率(前年度比)

 

10~40代は、前年度比で10ポイント以上の伸びがあり、若い世代において運動への関心が高まっていることがうかがえます。特に、20代女性においては前年度27.8%→今年度45.4%と、17.6ポイントの大幅な増加を示しました。

年代別では40代を底にして,高齢になるにつれ上昇

年代別にみた運動実施率では、全体としては40代(年齢別では男性50代の45.5%・女性40代の37.8%)を底にして、以降は上昇する傾向が見られます。

 

年代別運動実施率

およそ8割の人が運動不足を感じている

「運動不足を感じますか」という問いに対しては、79.5%の人が「感じる」に該当する回答をしました。一方で、運動不足を感じないと回答した人の割合は、18.7%という結果でした。

 

運動不足を感じるか?

 

この業界以外の同年代と会うと、たいていの場合「最近、運動不足でヤバイ…」という声が聞かれますが、このデータを参考にすれば約8割が運動不足と感じているわけですから、そうでない人に出会う方が難しいと言えそうです。

また、運動不足と感じている割合は、男性(76.9%)よりも女性(82.1%)の方が高値でした。

運動を行う理由は「健康のため」が1位

運動を行っていると回答した人を対象に、その理由を尋ねた設問(複数回答可)では「健康のため」が一番となりました。

個人的には「肥満解消・ダイエット」の割合が低く感じられますが、運動を行っている年齢層が高齢者ほど多いことを考慮すると、この結果は高齢者の意見がより大きく反映されている可能性があるのではないかと想像できます。

 

運動を実施した理由

阻害要因は「忙しいから」がトップ

運動頻度をこれ以上増やせない、あるいは増やさない理由としては、「仕事や家事が忙しいから」がトップで、「面倒くさいから」「年をとったから」「特に理由はない」「お金に余裕がない」が続きました。

 

運動頻度を増やせない理由

まとめ

全体的にみて、運動への関心の高まりや、その重要性の認知が進んできているものと考え、前向きに捉えられる結果かと思います。

とくに20代女性の運動実施率が大幅に上昇したことは非常に興味深く、「とにかく細い」よりも「健康的な身体(またはそれをイメージさせる体型)」が美しいというトレンド転換の表れとも言えるかもしれません。

1点、残念なポイントとしては、「実施した種目」についての設問で、選択項目の『トレーニング』の中に「トレッドミル」が混ざっている点です。トレッドミルで行うのはウォーキングかランニングがほとんどでしょうから、ここにトレッドミルを含めてしまうと結果がやや曖昧になってしまいます。

明確にするために、『筋力トレーニング(室内での器具を使ったエクササイズを含む)』といった感じにしてもらいたいところです。

実施種目

 

なお、スポーツ庁は今後、週1回の運動実施率を65%まで引き上げることを目標に掲げています。来年以降の報告にも期待しましょう。