パワーポイントで作成したスライドを配布資料として印刷するときに余白を狭くする方法について紹介します。
余白を狭くすることで、スライド自体のサイズが大きくなりますので、見やすい資料になります。
余白は小さく、スライドを大きめに印刷
問題点:パワーポイントから印刷すると余白が大きい
通常、パワーポイントの印刷画面で「配布資料(〇スライド/ページ)」(*〇は任意の数字)の設定にすると、上記画像の左側のように、必要以上に余白が大きい状態で印刷されてしまい、スライド自体のサイズが小さく読みづらくなります。
そこで、右側の画像のように印刷できるようにしていきます。
配布資料で複数枚のスライドを1枚にまとめるときに余白を狭くする方法
スライドを1枚単位でPDF化
余白が大きい問題を回避するために、パワーポイントのスライドをPDFとして保存し、Adobe Acrobat Readerでファイルで印刷するという方法があります。
参考 Adobe Acrobat Reader DCAdobeスライドをPDFとして保存する方法は
- パワーポイントの「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ドロップダウンリストで「PDF」を選択(下図参照)
- 必須の設定ではないですが、ドロップダウンリスト下の「その他のオプション」をクリックし、「オプション」→「スライドに枠を付ける」にチェックを入れます(推奨)。ほかの項目は変更する必要はありません。
- 保存
保存が完了すると以下のように、スライド1枚ずつのPDFができます。
保存したファイルをAdobe Acrobat Readerで印刷する
PDF化したファイルをAdobe Acrobat Readerで開いた画面で「ファイル」→「印刷」→「複数」をクリックします。
(印刷向き横で9枚のスライドを並べる場合)1枚あたりのページ数を「9」、ページの順序「横」、向き「横」を選択します。
プレビュー画面を確認し、問題なければ「印刷」をクリック。これで余白が狭い状態でスライドを複数枚並べて印刷できます。
単枚PDFを複数ページ構成にした状態のPDFにする方法
印刷をお願いする場合、色々と指定しづらい場合も
上記の方法だと、たとえばセミナー講師を担当するときなど、主催者側に資料を送り事前に印刷をしてもらう場合、先方に「印刷は横向き・複数ページの印刷・1枚あたりのページ数9・ページの順は横の設定にてお願いします」とお願いをしなくてはなりません。
なるべく先方の負担を軽くするためにも、印刷に関わる設定を極力省いて「あとは印刷するだけでOK」という状態で、データを渡したいということもあると思います。
そのために、先ほど作成したスライド1枚ずつのPDFを、あらかじめ複数枚まとめたPDFに変換する方法をみていきたいと思います。
なお、この方法は「Primo PDF」という無料のソフトウェアをインストールする必要があります。
Primo PDFのインストールが完了してから、再度Adobe Acrobat Readerでファイルを開き、さきほどと同じように
「ファイル」→「印刷」→「複数」をクリックし、(印刷向き横で9枚のスライドを並べる場合)1枚あたりのページ数を「9」、ページの順序「横」、向き「横」を選択します。
さきほどと違うのは、プリンターの欄を「Primo PDF」に変更することです。Windows10の場合は、ここで「Microsoft Print to PDF」を選択します。
変更したら、「印刷」をクリックします。(ここで印刷を押してもPrimoPDFが作動するだけで、実際には印刷されません。)
「統合中:○○%」というのが表示されますので終了するまで待ちます。スライドの枚数によっては、数分かかります。
統合が完了すると以下のような画面が表示されます。(Microsoft Print to PDFを使用した場合は、ここで完了)
保存形式(イラストが描いてある箇所)は初期設定では「Screen」が選択されていますが、このままだと非常に画質が悪くなってしまいますので、必ず「Print」に変更します。
Save Asの部分で「Specific folder」を選択し、保存先を決定します。
最後に「Create PDF」をクリックします。(クリックしても画面が切り変わって「保存中」などの表示が出ることはありません。完了するまで、しばらく時間がかかることもあります。)
これで複数枚並べた状態かつ余白が狭いPDFが完成しました。先方にはこのファイルを送信すれば、印刷の向きを「横」か「縦」に気をつけてもらうだけで済む状態で渡すことができます。