先日Twitterにて、体脂肪率測定の誤差について調査した論文を紹介しました。こちらの論文は日本語論文で、無料でフルテキストを読むことができます。(論文へのリンクは、この記事の最下部に掲載してあります)
【論文紹介】
体脂肪を推定する方法は色々ありますが、それらの差について検討した研究です。ちなみに、家庭やジムに置かれてある体組成計の測定精度を高めるには、測定前の運動、水分摂取、測定時の体液状態、体温、環境温度などの管理が必須です。
⬇日本語論文-無料https://t.co/PXNVAuO8rq pic.twitter.com/krLaHveQdV
— 中島健太郎 Kentaro Nakashima (@_knakashima_) 2018年1月3日
体脂肪率の測定には、色々な方法がありますが、もっとも多くの方が経験したことのある方法は、おそらく生体電気インピーダンス法(Bioelectrical impedance analysis:BIA法)だと思います。
一般的に「体組成計」と呼ばれているものに採用されている推定方法です。
生体電気インピーダンス法は、微弱な電流を体に流し、そのときの電気抵抗から体脂肪率を“推定”するものです。
この測定方法は、非常に簡便であるというメリットがある一方で、様々な要因によって測定値の精確性が左右されてしまいます。
BIA法による測定に際し高い精度を保証するためには,測定前の運動,水分摂取,測定時の体液状態,体温,環境温度など,電気抵抗値に影響を及ぼし得る要因を十分にコントロールしなければならない。
論文内でも、上記のように記述されています。
また、先行研究において、生体電気インピーダンス法は、脂肪の少ない人の体脂肪率を過大評価(=高めに算出)し、脂肪の多い人の体脂肪率を過少評価(=低めに算出)してしまうことや、身体を鍛えているアスリートの体脂肪率を過大評価してしまう可能性も指摘されています。
そのような事情もあって、フィットネスクラブや家庭で測定した体脂肪率を、それほど深刻に捉えないほうがベターという考え方も少なくありません。
以下は、私のツイートに対する他の方たちの補足ツイートおよび参考記事です。
参考 誤差だらけの体脂肪率 Part3 市販の体組成計AthleteBody.jp体脂肪率の測定には必ず誤差が出ます。測定方法によって誤差の大きさが変わります。
一般家庭にあるのはBIAという方式です。中島さんご紹介の研究は高価なBIA製品を使ったデータで、一般的な物はさらに不正確です。
体脂肪率は気にしないのがオススメ。
詳細はこの記事で▽https://t.co/wu9QlPaE4N https://t.co/T6PpBGymfD
— AthleteBody.jp (@AthleteBodyjp) 2018年1月4日
体重計で体脂肪率を測るあれ、Bioimpedanceはwithin-individual errorが多いから疫学などpopulation studyで使ってこそ効力を発揮するものだと思っている。肥満でoverestimateなのは重要。推定されたtotal body waterからfat free massに変換する式を全員同じもの使ってるからだろうな。 https://t.co/coriSrJWV7
— KRSK (@koro485) 2018年1月9日
体脂肪率ってあくまでも色んな推定に基づいてるから、@AthleteBodyjp さんも言ってたようにそこまで躍起になる必要ないし、測定原理や方法間の誤差、その要因を考えて上手く使うべき。あと設楽さんの論文はバイブル。 https://t.co/I28qbqTVpn
— Daichi Yamashita (@DYbrand) 2018年1月3日
この論文のフルテキスト(日本語)は以下のリンクで読めます。