電車通勤時のインプットにKindleを活用する

電車通勤のインプットにKindleを活用する

ありがたいことに、2018年の秋学期から京都学園大学にて講義を担当する機会を頂き、亀岡のキャンパスに週1回だけ行っています。

通勤には片道1時間半かかります。メインの活動先まで5分ほどのところに住んでいる私からすると、かなり長い移動時間が出来たことになります。

この往復3時間を有意義に過ごすために、Kindleを使って電子書籍から情報のインプットをすることにしました。

この記事では、私が実践している読書法と、それを達成するためにKindleが優れている点について紹介します。

本を読む目的

私の場合、本を読む目的は仕事に役立つ情報のインプットです。その本を読破することが目的では無いので、すべての文章を読むことをルールとしていません。読み飛ばしても良いと判断すれば、セクションごとばっさり飛ばすこともよくあります。

ただ、自分にとって大切な箇所は、仕事や実生活に役立たせられるように自分の中に取り込みたいので、繰り返し読む必要があります。

読み終えた後は「なんて勉強になる本なんだ。よし、明日から実行しよう。」と思っても、結局1ヵ月経って振り返ると、内容をほとんど覚えていないということになれば、全く意味がありません。

「読んで終わり」からの脱却

私は、個人的には紙の本の方が好きです。親しみがありますし、読むときの充実感も違います。しかし、その親しみを犠牲にしてでも、Kindleを併用していく必要性を感じています。

その理由を説明するためには、少し回り道をして、読書法について紹介しなくてはなりません。

エッセンスを抽出する

本田直之氏は著書『レバレッジ・リーディング』のなかで、「一冊の本のすべてが、自分にとって必要な情報であるわけがない(p.129)」という考えの基、重要な部分だけを拾って読む読書法を推奨しています。そして、同氏がさらに大切なことと説くのは「読書後のフォロー(p.138)」です。

レバレッジ・リーディングでは、本を読みながら、気になった箇所に線を引いたりメモを書き込んだりしていきます。そして、読み終えたあとに、それらの箇所をWordに入力していき、一冊の本から(自分にとって)重要な部分だけを抽出した究極の本、通称レバレッジメモを作成します。

そして、それ以降はレバレッジメモを何度も繰り返し読み、実践できるレベルまで内容を浸透させていきます。

レバレッジメモ

また、印南敦史氏は著書『遅読家のための読書術』の中で、「1ライン・サンプリング」と称し、本を読みながら気になった箇所を書き出し、A4用紙に本一冊分のハイライト集を作っていくという方法を提案しています。

「僕のような凡人が本の価値をわがものにしたいのであれば、「まずは1箇所にまとめて書き出す」しかないのです。そうやって本のエッセンスだけを「本の外側」に抽出しておかない限り、その流し読みは、本当に価値のない時間になってしまうのです。(印南敦史, 遅読家のための読書術, p.144)

これらの読書法は、エッセンシャル思考の表現を借りれば、「多数の瑣末なことのなかから、少数の重要なことを見分ける」ことと言えます。

多数の重要ではない箇所は流し読みし、少数の重要な箇所だけを抜き出すのです。

なお、私にとっての「重要な箇所」の基準は、感銘を受けた箇所・自分の中にしっかり取り込みたい考え方について書かれた箇所・セミナーやブログ等で引用できそうな箇所・クライアントとの会話で使えそうな箇所・筆者の考えに同意しつつも自分なりの意見も併記しておきたい箇所などです。

なぜ、少数の重要な箇所だけを抜き出すのか?

すでにお気づきの方もいるかと思いますが、レバレッジ・リーディングやエッセンシャル思考などの考え方は「80対20の法則」が出処となっています。80対20の法則とは、「投入、原因、努力のわずかな部分が、産出、結果、報酬の大きな部分をもたらすという法則(人生を変える80対20の法則, p.17)」です。

上位20%の要素が、全体の結果の80%を占めているということです。

80対20の法則

あらゆることが、この法則に従っているとされています。つまり、読書においても全体の20%を読めば、その本に含まれている情報の80%程度は得られるということです。これが完璧主義を捨てて、飛ばし読みをする理由です。

書き出す時間が取れないという問題

一冊の本から重要な部分だけを抜き出すことが大切なのは分かったものの、実際にそれをまとめる時間までは取る余裕がない、という方も多いと思います。

そこで、やっと今回のメインテーマであるKindleの出番となります。

ハイライトとメモ機能

Kindleにはハイライトとメモの機能が備わっており、紙の本と同じ感覚で本文にラインを引いたり、メモを添えることができます。

そして、優れているのがハイライトやメモを一覧表示できることです。

ハイライト一覧

本文中にハイライトをつけた箇所や、メモを付けた箇所が自動的にノートブックにまとめられます。ハイライトは4色用意されており、内容によって使い分けることも可能(後から「ピンクのハイライトだけ表示」ということもできる)。

そのため、紙の本のように、わざわざ後からWordに入力する必要がありません。読みながら気になった箇所にハイライトをつけていけば、自動的に重要な部分だけを抽出したノートが出来上がるわけです。

検索機能

もうひとつのメリットは本文内を特定のキーワードで検索できることです。Webでは、ページ内検索ができることなんて当たり前なので、検索機能はインパクトに欠けるかもしれませんが、書籍内検索ができるというのは、強力なメリットです。

自分が調べたいキーワードを入力して、関連するページだけ掻い摘んで読むこともできますし、後から見返すときにも検索できると、とても助かります。

*なお、電子書籍の形式が固定レイアウトの場合、ハイライトやメモ機能、文字検索が使えません。Amazonの購入ページに記載があるので、あらかじめ確認をおすすめします。

固定レイアウトに注意


固定レイアウトの場合は、ブックマーク機能を使ってページごと抽出する方法をとります。紙の本でいうドッグイヤーをつける感覚です。

まとめ

私が取り入れている読書法と、それに伴うKindleを使うメリットについてまとめてみました。上では取り上げませんでしたが、いつでもどこでも、(物理的な重さはゼロで)たくさんの本を持ち歩けるというのも電子書籍の大きな強みです。

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「重要なことに絞って注力する」ということを、より詳しく理解するためには、記事内で紹介した書籍を読んでいただくのが良いかと思います。「80対20の法則を読み切る自信がない」という方は、『エッセンシャル思考』か『大切なことだけやりなさい』がおすすめです。

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