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ヒップスラストは、いつから日本でこれほど人気になったのか?

ヒップスラストはいつから日本で人気になった?

ここ数年で、「ヒップスラスト」という種目の知名度が急上昇した印象があります。本来、フリーウェイトに関心が低そうな層である若い女性や中年の女性が、フィットネスクラブでヒップスラストをしている光景を目にすることもあります。

▽ヒップスラスト

もともと、ヒップスラストはエクササイズ解説本に必ず載っているというようなメジャー種目ではありませんでした。

では、なぜ、これほど幅広い層にまでヒップスラストは広まったのでしょうか?

ふと思い浮かんだこの疑問を解消するために、過去の記事を色々と遡って調べてみました。この記事の目的は2つあります。

  1. ヒップスラストが普及したターニングポイントを突き止める
  2. ヒップスラスト関連の記事をまとめる(それらを読めば、ヒップスラストについて一通りの知識が得られる)

ヒップスラストは、いつ頃から注目されるようになったか?

人気の動向をチェックする

こちらのグラフをご覧ください。

ヒップスラストの人気は2015年3月を境に上昇

これはGoogle Trendsを使って「ヒップスラスト」に対する関心の推移について表した折れ線グラフです。

2015年3月を境に、関心の度合いのベースが底上げされているのが分かります。どうやら、ヒップスラストが流行りだした原因は、2015年3月頃の出来事に答えがありそうです。

それでは、ヒップスラストへの注目の変遷を、時系列でみていきたいと思います。

2014年「ヒップスラスト」というワードがネットに出始める

2014年1月30日 トレーナーの岡部友さんがブログで「ヒップスラスト」を紹介

トレーナーの岡部さんが「私のお気に入りトレーニング」としてヒップスラストを紹介しています。しかし、ここでは写真が掲載されているだけで、フォームなどの詳しい説明はありません。そのため、この時点では、それほど注目を集めていなかったと思います。

1月30日以前にも、個人ブログでさらっとヒップスラストについて書いている記事は散見されました。

2014年5月19日 S&Cコーチの河森直紀さんがブログでヒップスラストに言及

お尻をメインにガッツリと鍛えるエクササイズとしては、最近はヒップスラストがお気に入りです。ガッツリやるとお尻が割れるんじゃないかと思うくらい筋肉痛になります。

#196 ルーマニアンデッドリフト(RDL)について再考|S&Cつれづれ

河森さんが、ブレット・コントレラスの動画へのリンク付きで言及されています。しかし、動画が英語であるということと、フォームについて具体的に解説した記事ではなかった為(そもそも、これはRDLの記事)、それほどインパクトを与えなかった可能性があります。

と、思ったら

じわじわと広がっていたようです。

2015年 ヒップスラスト流行 元年

英語圏から情報収集ができる方たちの間では認知・理解されていたヒップスラストが、2015年、ついに陽の目を見ることになります。

2015年2月26日 AthleteBody.jpでヒップスラストの解説記事 公開

ヒップスラストに関する記事

ヒップスラストについて、しっかりと知るためにはこの記事、という内容です。ヒップスラストへの愛情なら世界一であろうブレット・コントレラスの記事を翻訳したものなので、記事のクオリティーは他の追随を許しません

昨日公開したヒップスラストの記事が好評です。1日で900以上の「いいね!」をもらいました。

記事を翻訳しながら、「ちょっとマニアック過ぎるだろうなー」と思っていました。ブレット・コントレラスを紹介したい一心で、ほぼ自己満足のために公開した感じだったので、ただただビックリしています。

facebook|AtheleteBody.jp 2015年2月27日の投稿

こちらの八百さんのポストからもわかるように、当時は「ヒップスラスト」も「ブレット・コントレラス」もあまり知られてはいませんでした。

そして、2月26日に公開されたこの記事こそ、まさにGoogle Trendsで動きが見られた「2015年3月頃の出来事」だと推測しています。つまり、この記事がターニングポイントとなり、ヒップスラストに対する理解が広がる動きが生まれていったというわけです。

2015年3月20日 DNS ZONEでヒップスラスト紹介(動画付き)

AtheleteBody.jpの記事から、約1ヶ月後。おそらく多くのトレーニング愛好家が参考にしているであろうサイトDNS ZONEにて、ヒップスラストが取り上げられました(Part 52 「ヒップ・スラストで大臀筋をダイレクトに鍛える」)。

簡潔な内容ですが、「動画付き」という点でインパクトはあったはずです。この記事が、ヒップスラスト普及の波を、さらに大きくしたと考えられます。

2016年 急速に認知度が高まった1年

2016年6月14日 トレーナーの弘田雄士さんがヒップスラストの研究について紹介

フロントスクワットとヒップスラストがパフォーマンスに与える影響について比較検討した研究をブログで紹介されました(スクワットvs.ヒップスラストを考える)。

同様の内容について、楽天ゴールデンイーグルスのS&Cコーチ庄村康平さんもブログで紹介されています(#70 force vectorを考えたエクササイズ選択)。

2016年7月27日 フィジークオンライン「岡部友×才木玲佳 対談」にてヒップスラストが取り上げられる

フィジークオンラインに「女性による女性のためのフリーウェイトジム「SPICE UP FITNESS」さんへお伺いしてきました!」が掲載。岡部友さんと才木玲佳さんの対談の中で、ヒップスラストについて、割としっかりめに字数が割かれています。

2016年11月7日 S&Cコーチの佐々部孝紀さんがブログでヒップスラストを紹介

【第32回】ヒップスラストでスクワットの弱点を補強する」をアップ。こちらは専門家向けに解説されてあります。

以上のように、2016年に入り、ヒップスラストに関する日本語での情報が多く出るようになりました。それに伴い、ヒップスラストをプログラムに組み込む人が増加し、周りの人にどんどん伝染していったと考えられます。

2017年 そしてヒップスラストは美尻エクササイズの代表格へ

2017年5月23日 DNS ZONEがモテ尻エクササイズとしてヒップスラストを再特集

DNS ZONEが「モテ尻」というワードと並べて、ヒップスラストを再び紹介しました(Part 72 バンド・ヒップスラストでモテ尻をつくれ)。

2017年9月7日 河森さんがヒップスラストに対する現時点での考え方を公開

河森さんのヒップスラストに対する考え方2017年バージョンがアップされました(#447 ヒップスラストでは挙上重量を追求するよりも、しっかりとケツに効かせることを優先したほうがいいと思う2017夏)。

当ブログでも、ヒップスラストに関する研究論文を紹介しました。

ヒップスラスト
【論文紹介】ヒップスラストが筋力とジャンプ・スプリントパフォーマンスに与える影響

この他、2017年に入ってからは、YouTubeでも「美尻エクササイズ」としてヒップスラストを紹介する動画が、どんどんアップされています。

AthleteBody.jp八百さんの「マニアック過ぎるだろうなー」という心配から2年。今では岡部さんのメディアへの出演も相まって、ヒップスラストは美尻エクササイズの代表的な存在へと登り詰めました。

おまけ:スクワットへの関心も増加傾向

実は、スクワットへの関心も近年右肩上がりです。これは、ここ数年で「ただ細いだけよりも、鍛えている女性の方が美しい」という考えが浸透していることに拠ると考えられます。モデルがウェイトトレーニングを行っている動画などがネット上で公開されるようになり、これまでの無関心層が「スクワット」のワードで検索するようになったという流れです。

スクワットへの関心の動向

2016年9月にスパイク(折れ線グラフで上に突出した部分)が見られ、人気度がMAXの100に達しています。これは、突如スクワットが注目されたわけではなくて、映画「スーサイド・スクワッド」を検索しようとした人たちが、誤って「スーサイド・スクワット」と検索したことの影響を受けているものと思われます。「スーサイド・スクワッド」の日本公開は2016年9月10日です。

まとめ

2015年3月に、まずはAthleteBody.jpやDNS ZONEという影響力のあるWebメディアが、立て続けにヒップスラストを紹介したことで、業界内およびトレーニング愛好家にヒップスラストのメリットが浸透し、ここで普及の土台が出来上がったと予想できます。

そこにきて、岡部さんのメディアへの露出が増え、一般の方の認知度も爆発的に高まった、と考えられます。とくにテレビの影響は大きいはずで、女性がヒップスラストで高重量を挙げている光景は、非常にインパクトがあったため、視聴者の印象に残りやすかったのだと思います。

また、一般の方たち(とくに若年女性層)のトレーニングへの関心が高まるタイミングと重なったこともあり、ヒップアップに効果があるという触れ込みのヒップスラストが、爆発的に広がったと考えられます。

ヒップスラスト流行年表

今回の記事は、個人で調べた結果に過ぎません。事実とは異なる可能性がございますので、ご了承ください。