コンプレフロス(フロスバンド)の効果と使い方|おすすめ診断あり

コンプレフロスとは

コンプレフロスは天然ゴム製のバンドを身体に巻き付けて圧迫し、その状態で自動運動や他動運動を行うことで、関節可動域の増加や、動作時の違和感を緩和する効果が期待できるコンディショニングツールです。

コンプレフロスの種類

硬さは4種類

コンプレフロスには4種類の硬さが用意されており、ライムグリーンが最も柔らかく(低強度)、グレーが最も硬いつくり(高強度)となっています。

 

コンプレフロスには4つの強度があり、ライムグリーン、ブルーベリー、プラム、グレーの順に硬くなっていく

幅が3種類、長さが2種類

幅は1インチ、2インチ、3インチのものがあり、さらに長さは2mと3.5mの2種類が用意されています。

全部で14パターンあり、自分にとって最適なものがどれか迷いやすいので、自分に合ったコンプレフロスを見つけるための診断チャートを作成しました。参考までにお使いください。

あなたにおすすめのコンプレフロス診断

Q1
主に使用したい部位はどこですか?

 

長さに迷った場合、値段が多少上がることが問題ないのであれば、3.5mの方を購入することをおすすめします

2018年7月29日追記:1インチの応用的な使い方

1インチは、手や指以外にも応用的な使い方で重宝するという情報を頂きました。以下の記事で紹介してします。

スポルテック2018のサンクトバンドのブースレポート 【スポルテック2018】サンクトバンド(コンプレフロス)のブースレポート

2018年8月1日追記:コンプレフロスを上腕に一人で巻く方法

信田さんが、一人で上腕にフロスを巻く方法を動画で上げてくれました。

コンプレフロスの使い方

公式にアナウンスされているコンプレフロスの巻き方は以下の通りです。

  1. 末梢から中枢へ(遠位から近位へ)巻く
  2. 最初はアンカーを作り、 そこから 50%(1.5 倍)伸ばしながら巻く
  3. 50% 重ねながら巻く
  4. コンプレフロスを巻いた状態で⾃動運動と他動運動を 2 分以内で⾏う
  5. コンプレフロスを外し、 ⾃動または他動運動を2分間を⾏う
  6. 2 分 ×2 〜 3 セット (最⼤5セットまで)
  • コンプレフロスを巻くまえにボディオイルなど滑るものを塗らないでください
  • 基本は素肌の上から巻くようにしてください。 ⾐類の上から巻く場合も密着して滑らない素材のものにしてください
  • 体質によりコンプレフロス後に⾚くなることがありますが、 基本は時間の経過とともに消えますのでご安⼼ください

コンプレフロス使用上の注意点

持続して圧迫するのは2分まで

1回の連続使用は2分までとし、同一箇所に使用する場合も一度外してから、再度巻き直します。

下記の公式コンテンツもご参考ください。

参考 COMPRE Flossの使用方法&選び方について(PDF)サンクトバンド公式サイト

ラテックスアレルギーの方は注意

本製品は天然ゴム製です。ラテックスたんぱく質の残留を最低限に抑制されているものの、アレルギー性反応をまれに起こす可能性はあるので、ラテックスアレルギーの方の使用は禁止されています。

以下の病状をお持ちの方は使用できません

皮膚炎および皮膚感染症・静脈瘤・静脈炎・血栓症・腫瘍・糖尿病・骨折・傷口の開いた傷・新生物・心不全ステージCおよびD・慢性炎症症状・ラテックスアレルギー・抗凝固薬または高容量の副腎皮質ステロイド薬を服用している方

コンプレフロスを巻き付ける芯は捨てない方が良い

これは重大な事故につながるような注意点ではありませんが、購入時にコンプレフロスが巻き付けてある芯は、捨てない方が良いです。

芯があるほうが使用後に巻き取りやすいですし、身体に巻き付けるときも芯がある方が最後までテンションをかけて巻きやすいです。

コンプレフロスの芯は捨てない方がいい

フロスバンドに関する研究報告

研究報告についてもチェックしておきます。現時点(2018年6月10日)では、コンプレフロスを使用した研究は存在しません。そのため、他社製品のフロスバンドを使用した研究を参考にしたいと思います。

Driller, M, Mackay, K, Mills, B, and Tavares, F. Tissue flossing on ankle range of motion, jump and sprint performance: A follow-up study. Phys Ther Sport 28: 29–33, 2017.

被験者

被験者は運動習慣のある男女大学生69名でした。被験者はランダムにフロス群とコントロール群に振り分けられました。

どのようなことを行ったか

使用したフロスバンドはオーストラリアのライフ社製。フロス群はフロスバンドを両足首に巻いた状態で、2分間の能動的な足関節底背屈運動を繰り返しました。コントロール群はフロスバンドは巻かずに足関節底背屈運動を繰り返しました。

測定項目は、Weight-bearing lunge test (WBLT)、Counter-movement jump test (CMJ)、Sprint testでした。それらのテストをフロス実施前およびフロス実施5分後-15分後-30分後-45分後に行いました。

フロスバンドの研究デザイン

結果

両足の足関節に対してフロスバンドを使用することで、効果量は小さいものの足関節のROM、ジャンプ、スプリントに対してポジティブな影響が示されました。

フロスバンドの関節可動域への影響

 

フロスバンドを使用した研究

個人的感想

今回の研究は、(1)足関節のみへのフロス、(2)2分間×1セット、という2点を考えると、大腿部や下腿部に対して2分間×数セット実施すれば、異なる結果が得られるかもしれません。

一方で、conference proceedingsではありますが、Plockerら(2015)は、Rogue Fitness社のVoodoo Mobility Floss bandsを肩部に使用した実験で、肩関節内旋/外旋可動域とベンチプレス時の上肢のパワーに与える影響を検討した結果、平均値は増加したものの、いずれも統計学的有意な差はなかったと報告しています。

そのような結果となった理由のひとつとして、肩部に対して効果的な巻き方を実施できなかった可能性を指摘しています。

また、Kieferら(2017)はフロスバンドによる関節可動域の増加はストレッチトレランスの変化によるものである可能性を示唆しており、柔軟性改善の要因についても今後の報告が気になるところです。

以上のようにフロスバンドに関しては、そもそも研究報告が少ないことに加えて、研究デザインも十分な質を確保できていないため、今後の報告に期待ということになります。

 

easyflossing!コンプレフロス

よくある質問

A.はい、水洗いできます。洗った後は水気をふき取り、陰干しをおすすめします。
A.高温・直射日光を避けて保管してください。
A.いいえ、使い捨てではありません。コンプレフロスは十分な耐久性を備えており、乱暴に扱わなければ長く使用することができます。
A.ゴムの臭いはあります。はじめのうちは巻き付けた箇所や手にゴムの臭いが残ることもありますが、使用を続けていくうちに徐々に臭いは緩和されていきます。

割引コード

正規販売代理店(オンライン)での支払い手続き時に、ショップクーポン欄に以下のコードを入力すると10%オフとなります。

フロスバンド

割引コード:SJYSHIDA

フロスバンド

Twitterでの反応

Twitterでの反応を抜粋しました。使用者の声が気になる方はご覧ください。

ざっと半年分ほどを見返しましたが、好意的なツイートしか見当たりませんでした。

もちろん、好意的なツイートばかりというのは出版バイアス的な偏りが生じている可能性も大いにあるので、このツイートを見て万人が満足していると判断することはできません。

しかし、多くの人がコンプレフロスの効果に満足しているのは事実だと思います。

公式サイトおよび関連記事へのリンク

Acknowledgements

本記事の作成にあたり、信田泰宏さん(@yasuhiroshida)からコンプレフロスに関する情報提供および記事内容の確認をしていただきました。深く御礼申し上げます。

参考文献

  • Driller, M, Mackay, K, Mills, B, and Tavares, F. Tissue flossing on ankle range of motion, jump and sprint performance: A follow-up study. Phys Ther Sport 28: 29–33, 2017.
  • Driller, MW and Overmayer, RG. The effects of tissue flossing on ankle range of motion and jump performance. Phys Ther Sport 25: 20–24, 2017.
  • Kiefer, BN, Lemarr, KE, Enriquez, CC, Tivener, KA, and Daniel, T. A Pilot Study: Perceptual Effects of the Voodoo Floss Band on Glenohumeral Flexibility. Int J Athl Ther Train 22: 29–33, 2017.
  • Plocker, D; Wahlquist, B; and Dittrich, B (2015) “EFFECTS OF TISSUE FLOSSING ON UPPER EXTREMITY RANGE OF MOTION AND POWER,” International Journal of Exercise Science: Conference Proceedings: Vol. 12 : Iss. 1 , Article 37.