COMPARISON OF THE EFFECT OF INTERSET DYNAMIC AND STATIC STRETCHING ON THE UPPER AND LOWER BODY PERFORMANCE OF MALE BODYBUILDERS
目 的
レスト時間の長さがトレーニングの適応に与える影響は多く調査されているが、セット間の何らかの介入が次のセットのパフォーマンスに与える影響に関する報告は限られている。そこで本研究は、トレーニング習慣のある者がセット間レストにスタティック or ダイナミックストレッチングを実施したときに、それらが次のセットのパフォーマンスに与える影響を調査することを目的とした。
方 法
被験者
ウェイトトレーニングを少なくとも4年は定期的に行っているボディビルダー18名。
(年齢24.13±4.06歳、身長178.17±5.55㎝、体重86.22±5.26kg)
実験内容
ベンチプレスとレッグプレスを4セット実施したときの各セットにおけるレップ数を記録した。
レスト時間は3分間と5分間の条件が設定された。
それぞれの重量は80%1RMであった。
レストの内容として以下の3つのパターンが設けられた。
1,レスト中は安静
2,レスト中にスタティックストレッチング
3,レスト中にダイナミックストレッチング
スタティックストレッチング & ダイナミックストレッチング
各種目実施時に行ったストレッチングのターゲット部位は以下のとおり。
ベンチプレス実施時:大胸筋・上腕三頭筋
レッグプレス実施時:大腿四頭筋・殿筋群
レスト時間3分のとき:各部位17秒のスタティック or ダイナミックストレッチング
レスト時間5分のとき:各部位32秒のスタティック or ダイナミックストレッチング
それぞれのストレッチングは2セット行われた。
結 果
Fig.1とFig.2において、安静群(NS)よりもスタティックストレッチング群(SS)とダイナミックストレッチング群(DS)の方がレップ数は多かったが、有意な差ではなかった。
考察
レスト時間3分の場合は、その内容に関わらず、2セット目以降レップ数は減少していった。しかし、レスト時間5分の場合は、そのような減少傾向は見られず、1セット目と比較して4セット目はわずかな減少にとどまった。
先行研究において、トレーニングレベルの高い人は非鍛錬者よりも、ストレッチングがもたらす身体パフォーマンス変化の影響を受けにくいということが報告されており[1,2]、本研究もそのことが関係していると考えられる。
したがって、本研究の被験者のようなトレーニングレベルの高い人は、筋トレのセット間レストの内容が、次のセットのパフォーマンスに与える影響に関しては、何をするか(スタティックストレッチングor ダイナミックストレッチング or 安静)よりも、何分休むかが重要な要素となる。
個人的感想
一般的に言われているスタティックストレッチングのネガティブな影響が出なかった、というのは興味深いですが、結果の折れ線グラフは縦軸の始まりの値が同じ種目同士でもバラバラになっていて、比較しづらい感じはあります。あとは、実施したスタティック or ダイナミックストレッチングの内容もかなりざっくりしていて、結果の記述も、考察も全体的におおざっぱな印象でした…。アブストラクトを読んだときは、面白そうな内容だと思ったので、残念です。
「ストレッチで筋肥大・筋力アップ」について科学論文が示す真実参考文献
1,Egan, A.D., Cramer, J.T., Massey, L.L., & Marek, S.M. (2006). Acute effects of static stretching on peak torque and mean power output in National Collegiate Athletic Association Division I women’s basketball players. J Strength Cond. Res, 20, 778–782.
2,Unick, J., Kieffer, H. S., Cheesman, W., & Feeney, A. (2005). The acute effects of static and ballistic stretching on vertical jump performance in trained women. The Journal of Strength & Conditioning Research, 19(1), 206-212.